~陰陽座
陰陽座Part.2は初期の傑作ともいえる『煌神羅刹』およびシングル『月に叢雲花に風』からご紹介です
陰陽座はご存知の方も多い陰陽師に因んだものですが、山田風太郎の忍法帖シリーズのオマージュが各アルバムに必ず収録されています
まだおいらの記事には登場していませんがこの忍法帖シリーズの何曲かはご紹介する予定です
さて、ただ陰陽師から因んでいるだけかといえば、そうではありません
歌詞をじっくり聴いていただくとおわかりのように、内容に沿って古語を中心に歌詞が書かれています
そのためよくわからない言葉がたくさんあると思います
そんな中でおそらく好んで使われていると思われる言葉があります
それは『たゆたふ(揺蕩う)』です
この言葉はおいらも音的にめっちゃ気に入ってます
意味は
- 物がゆらゆら動いて定まらない。ただよう。
- 心が動揺する。ためらう。
という感じです
おいらがバンドをやっていた頃から日本語の歌詞とハードロックというのは何だかいまひとつフィットしないという感覚を持っていました
それは英語などに見られる『リエゾン』という独特の発音の仕方が日本語にないためだと思っていました
その考え方は今でも変わっていませんが、この陰陽座を聴いて感心したのは古語の方が合うんじゃないか?って思わされてしまうことです
そしてこのバンドの音楽面で感心させられたもう1つが、おいらがオリジナルバンドをやる上で欲しかったヴォーカルのタイプを初めて見つけたことです
女性でかついろんなスタイルで歌えるヴォーカリスト…つまり黒猫さんみたいなヴォーカルが欲しかったんです
ヴォーカルが彼女だからこそ陰陽座の豊富な音楽性が活かされるのです
さて、今回のバンドに関してのコメントはここまでにして~曲の紹介に行きましょう^^
ちょっと削れなくて8曲もありますが、もう少し我慢して読んでねぇ~
※ それぞれの曲にその曲に相当する音楽的ジャンル・タイプを( )で示しています
聴く上での参考にしてください
「羅刹」(平安調ハードロック)
イントロのギターと黒猫さんに絡む瞬火さんのメロディーがちょっと平安調です^^
ツインヴォーカルならではの掛け合いが堪能出来る曲です
「朧車」(ハードロック)
全体的にスタンダードなハードロックですが、Aメロ~Bメロ~サビの流れというか、盛り上げ方が絶品で黒猫さんの歌い上げ方が素晴らしい!
サビを聴くと『ライオン丸』が脳裏をよぎってしまいます~笑
「烏天狗」(Iron Maiden & アニメ向きハードロック)
おいらの陰陽座フェイバリットソングBest5に入る曲ですが、曲の雰囲気は完全にIron Maidenです
そしてこの曲のリズム(♪ デンデケ デンデケ デンデケ デンデケ)はめっちゃ昭和のアニメ向きのリズムで、イントロが流れた途端に引き込まれてしまいます
前半は瞬火さんの微妙に演歌/民謡くさい独特の歌いまわしでAメロの最後は1コーラス目で【ま】、2コーラス目で【よ】を頭文字に韻を踏む面白さがあり、短めのBメロは黒猫さんのファルセットで小唄調でひと呼吸おいたと思ったらサビで黒猫さんの単調ながらも終わりに向かって盛り上がる見事なマイナーメロディーの歌い上げ
まさにドラマティックな展開を見せる秀逸な1曲です
「月に叢雲風に花」(能楽調ハードロック)
アルペジオフレーズのイントロから入るハードロックですが、能楽調の瞬火さんのヴォーカルと黒猫さんのファルセットヴォイスが巧く噛み合ったシングルにもなった曲
サビはヴィジュアル系ロックにありそうなメロですが、中間にあるまた別メロの黒猫さんのファルセットがリフレインに入る前のいいアクセントになっています
「組曲「黒塚」~安達ケ原」(組曲第1弾 アコースティック & 怪談)
彼らの音楽の特筆すべき点はやはりこういったアコースティックの曲の素晴らしさでしょう
音楽というよりもまるで物語のような世界…いや、確かにこれは物語なのです
そのままミュージカルというか舞台演劇になってしまいそうです
美しいメロディーなのに『血をすすり、肉を喰らう』なんて詩があるのですが、その過激な表現を感じさせないところがすごいです
終盤は演奏をバックに黒猫さんの語りが入りつい聴き入ってしまいます
「組曲「黒塚」~鬼哭啾々」(組曲第1弾 ハードロック)
黒塚は鬼婆伝説として存在する墓のことで、能の演目として実際にあり、また手塚治虫の作品にもありますが、夢枕獏のSF伝奇小説を元にアニメ化されてもいます
実際の黒塚についての詳しい内容はこちらをご覧ください
曲は「安達ケ原」とはガラッと変わりハードロックになりますが物語の延長としてツインヴォーカルならぬダブルキャスト的な感覚で構成しているようです
ここでも黒猫さんのファルセットを含む中間メロディーによる演出が効果的です
ところでそろそろこの黒猫さんのファルセットを聴いて「あれっ?誰かに似てるかも?」って思った方がいるかも知れませんね^^
「おらびなはい」(お祭りソング ガールズポップ)
目いっぱい方言使ってます~笑
タイトルの「おらびなはい」は叫びなさいの意味だそうです
めっちゃライヴで盛り上がりそうな曲です^^
で、黒猫さんのヴォーカルもこれまた最初から最後までめっちゃポップで、出だしの部分は
Hey Boy
って歌ってるのかと思ってしまいますが、「手を」ですのであしからず(^^ゞ
そうなんです、こんな可愛い歌い方も出来るんです!
「蛍」(Kate Bush クラシカル?アコースティック?)
Kate Bushとは書きましたが、違うと思った人はごめんなさい~笑
でも黒猫さんのファルセットを聴いているとおいらには彼女がよぎるんです
で、実は黒猫さんはインディーズ時代どんなものかはわからないのですが、元々別のバンドもやっていたらしく
そのバンドに関わるものかどうかは定かではありませんが、「嵐が丘」黒猫ヴァージョンたるものを発見してしまいました!
それがこちらです↓↓↓
本人が歌っている映像ではないので確信はありませんが、Kate Bushでないのはわかります
ただ、彼女の歌声を聴いていると納得する上、Kate Bushに影響を受けていることは周知の事実ゆえ黒猫さんだということで…^^
やや、話が逸れましたが、この曲はシングルの「月は叢雲花に風」に収録されていた曲です
クラシカルかつアコースティックで先にも書いたようにこういう曲の素晴らしさが光ります
さて、Part.3も早めに書くつもりですが、おそらくまたアルバム1枚+シングルの予定です
この9月にリリースされた新作『金剛九尾』までまだまだ続きま~す(^^♪
Johnさん 毎度
陰陽座ええどええど!!って感じですね。
たしかに、このグループは、聴けば聴くほど、何かを感じますね。
ボーカルの黒猫さんですか・・・声いいです。
純日本文学の世界へ迷い込んだような、そんなイメージです。
曲、頂いておりますが、勝手に持って帰ってええのかな、罪をかんじますぞ。
そう言いつつ、今も、BGMは陰陽座をバックに流しながらのコメントなのです。
でも、何でこんなにすばらしい音楽の世界なのに、コメントないですね?わからん?
古き日本の言葉での、歌詞は、言葉の魂を感じます。よく言葉の霊・・・言霊っていうますよね。
そういうものが迫ってくるような気さえしますね。鬼気迫るような・・・
全部気に入りましたが、特に「組曲「黒塚」~安達ケ原」が気に入りました。
新しい音楽の世界に出会えて感謝なのです。
投稿情報: mick | 2009/09/16 12:52
mickさんまいど~(^^)/
黒猫さんに関しては後日また彼女の違う一面をご紹介する動画を掲載しますのでお楽しみに~^^
純日本文学の世界…まさにそれなんです
彼らの音楽の表現力って目を見張るものがあります
作曲はほとんどが瞬火さんですが
意外なのは前回の「陰陽座」など結構ハードな曲を黒猫さんが曲を書いたってことです
もちろんバラード調の曲もあるんですが…
コメントがないのはねぇ~おいらがあまり読んでもらう努力をしてないことかな?笑
音楽をメインにしているブログを探して訪問したりってことあまりしないんですよね…
おいらのブログ友達に音楽を主体にしている人は案外少ないんです
ただアクセス解析してみるといろんなキーワードで迷い込んでくる人たちはたくさんいますけどね(^^ゞ
でも、たくさんいなくてもmickさんのように感心してくれる人が1人でもいれば満足ですから~(*^^)v
「安達ケ原」いいでしょ~黒猫さんのヴォーカルの真骨頂です^^
あ…そういえば、例の「奇子」の番組…親のテレビで録画しましたが
前半アニメを1話分流してちょっとだけお話があっただけでしょぼかったですねぇ~笑
でもこのアニメはDVDで見たいです
今回の特集は正直言ってアルバムごとに全曲紹介したいくらいですが
今以上にひつこくならないようにこれで目いっぱい絞ってます
8曲も書いといてなんですが…爆
次回もすぐに更新しますが、お持ち帰り遠慮せずにどうぞです(^^♪
投稿情報: John | 2009/09/16 13:18